子なし夫婦は悲惨?それとも羨ましい?

我が家は子なし夫婦の2人暮らしです。

夫婦の間に子供はいないため、大人2人だけで生活をしているわけですが、 夫が「職場では頼りになるのに対し家にいると手のかかる人」というタイプなので大きな子供でも相手にしているかのような日々を過ごしています。

例えば台所に行くと「どこに何があるかわからな~い」と箸やスプーンの置き場所を見つけられず私を呼んでみたり。

単に甘えているだけなのか、本当にわからないのか、そういうやり取りでコミュニケーションを図っているつもりなのか。本人にしかわからないところではありますが、こういう夫なので退屈はしません。

子なし夫婦という選択と決定

人によって子なし夫婦になる理由は違いますが、我が家は夫婦で話し合ったことを実行に移した結果、一生自分たちの子供を作れなくなったため子なし夫婦となりました。

当時の話し合いがまとまっていなければ、もしかしたら今頃は小学生か中学生くらいの子供がいたはずです。

【覚悟】子宮全摘を自ら申し出

私は十代のころから子宮筋腫内膜症と婦人科系の病気を繰り返し発症、そのたびにホルモン治療などお金と時間のかかる治療を余儀なくされてきました

そこで何度目かの発症を自覚した35歳の時、夫と話し合い子宮全摘することに決めました。子宮を摘出するので「一生自分たちの子供を産み育てることができない」という覚悟を決めました。

そこまでの覚悟があるのでしたら全摘しましょう

夫と話し合って決めたこと、夫婦そろって子供を望んでいないことなどを医師に伝えた結果、初診という早いタイミングで子宮全摘手術を受けることが決定し、次の予約は手術前検査となりました。

長男の嫁でありながら女が35歳で自ら子宮全摘という選択をするための覚悟

医師からは最初こそ「治療という手も…」という言葉がありましたが、それを私が自分の意思で拒否し、子宮全摘しか考えていないことを伝えたところ医師が了承してくれた形です。

結果的に子宮全摘しか手がなかった

MRI検査と開腹手術で明らかになったこと

最初こそ自分からの申し出で全摘が決まったわけですが、実は手術前のMRI検査と開腹手術をした結果、病状が手の施しようのないところまできていたことがわかりました。

子宮と右側の卵巣が癒着し一つの塊となって背中にベッタリと癒着して、すっかりくっついていたそうで、これを剥がすために予定の手術終了時間より数時間もオーバーしてしまったとか。

MRIの写真を見たときの医師の第一声が「なんだこれは!?これはおなかを開いてみないとわからないなぁ」でした。

実際に開いてみたところ、腸や膀胱など周辺臓器をも巻き込んで一緒に癒着していたらしく、それもあって剥がすのに時間がかかったそうです。背中だけでなく周辺臓器を傷つけないようにするのが大変だったのだとか。

なので治療どころか全摘以外の選択肢は最初からなかった。ということで結果オーライでした。

ちなみに私のような状態でも生理は毎月きていたし、流産も経験しているので妊娠もできます。ただこのまま放置すると確実にガン化するとのことだったので、その前に摘出できたのはラッキーでしたね。という話でした。

入院から退院まで

2週間以内で退院のはずが…

「子宮全摘手術なら2週間以内で退院できますよ」が入院初日に看護師からかけられた言葉でした。

でも私が退院できたのは入院から23日後。2週間どころか3週間以上にも及びました。

  1. 炎症マーカーが高いのに炎症個所を見つけられなかった
  2. 原因不明の高熱が続いた
  3. 摘出の際に触れた周辺臓器が過敏になったことによる症状が出た
  4. 他の診療科の受診により治療項目が増えた

これらが理由で入院期間は延びたものの、何とか全ての症状が落ち着いて退院することができました。

手術当日

朝食は出ないため、自分で病院内の売店まで買いに行き食べました。「お腹一杯じゃなく軽くね」と言われていたので、おにぎり2個とペットボトルのお茶で済ませました。

病室から手術室までは車椅子で運ばれ本人確認後、ベッドに横になり麻酔科の先生と執刀医がくるまで周りのスタッフと雑談。

全身麻酔による開腹手術だったので寝ている間にすべて終了。全身麻酔は2回目だったけれど、相変わらず起こされる時の激しさといったら。。。

手術翌日から歩け歩け

手術の翌日に処置と呼ばれるものがあったので、処置室までは看護師さんがサポートしてくれました。

おしっこの管を抜いたり、自分で麻酔を入れるボタンが押せなかったので何度か押してもらったり、車椅子に移動するまで体を支えてもらったり。

でも処置室で処置を終え先生との診察も終わり自分の病室へ戻るとき、「立って歩ける?」と聞かれたので試しに動いてみたら、思いのほか楽に動けたので「歩いて戻ります」と言ったら「マジかwスゲー」と医師らしかぬ言葉をいただきました。

その日から歩け歩けです。昔と違って今は開腹手術を終えたら安静に…ではなく、歩き回って動け。だそうで「暇があったら部屋から出て廊下をウロウロ歩き回ってくださいね」と言われました。

なので毎日歩きました。何往復も端から端まで1日中廊下を歩きました。ご飯、シャワー、処置以外やることがなくて暇だったので。

そんな中、次から次へとトラブルの連続で看護師からも医師からも「同じ手術で入院した患者さんの中でも、あなたのような症例は初めてです」のお墨付きをいただきました。

うれしくない。

夫婦の「普通」とは

夫婦の「普通」とは何でしょうね。結婚して、子供を作って、家族仲良く暮らすこと?この中の一つでも欠けたら「普通」じゃなくなるのかな。

だとしたら子なし夫婦は普通じゃないってこと?

私は違うと思う。
だって子なし夫婦にとっては、子供が居なくても夫婦で生活していくことが普通だから。

夫婦の「普通」の在り方に必ずしも子供の有無は関係ないと思う。

最近は知り合う人に自分が既婚者であることを伝えると「子供は?」と聞かれ「子なし夫婦よ」と答えると「あっ、ごめん」と言われることが増えました。

ごめん…って何が?

子なし夫婦は悲惨なのか羨ましいのか

個人的な考えとしては「人による」と思います。

血のつながった子供を愛せる人もいれば愛せない人もいるし、天塩にかけて育てた子供の全てが親孝行な子に育つ保証もないし、自分の子を虐待する親もいるわけだし。

子供がいたところで自分が年老いてから子供に迷惑かけられる可能性もあるわけで。。。私はこっちの方が悲惨だと思ってしまいます。

ただ将来への不安はあります。現に夫の父親が複数の持病と認知症により介護が必要な状態となっていることを考えると他人事ではないな。と。

それでも今は大人2人の生活は楽しいですよ。一部の人からは羨ましがられるくらいにはね。

まとめ

老後のことを今から考えても貯金以外やれることはないし、子供がいたとしても「老後は子供に迷惑をかけたくない」って思うから頼れないだろうし。ましてやこのコロナ禍なら尚のこと。

人に子供は?と聞かれ答えたところで、何故か謝られることもあれば、「いいな~羨ましい」と言われることもあるので、子供がいようがいまいが夫婦の在り方は人それぞれでいいと思います。

子なし夫婦を悲惨だと思うも、羨ましいと思うも、自分の今の生活と比べるからそう思うのであって、独身で結婚願望がない人に聞いたらまた違う意見になるんだろうな。とも思うし。

ということで今回は私たちが子なし夫婦になった理由について書きました。私のように自分から望んで子なしを選択する割合がどれくらいなのかはわかりませんが、中にはそういう人がいてもいいと思います。

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